心の一冊

上原 一平 上原 一平

2020.03.13

こんにちは。
ご無沙汰してました、上原です。

今年はソロキャンプにいくぞーと意気込んでみたものの、何度かあったファミリーキャンプの機会ですらも雨天キャンセルしたりと結局今年一度も行けてません。
そんなわけで今回は別のテーマで投稿です。

本好きな私

アウトドア派と思われがちな自分なのですが、実は子供のころから本の世界に浸るのが大好きです。はじめて小説を読むようになったのは小学生の頃で、当時はズッコケ3人組(著:那須正幹先生)という児童文学シリーズにドハマりしていました。

それからシャーロックホームズシリーズやらアルセーヌルパンシリーズやらを学校の図書室に通い詰めては読破していましたね~。

一方で基本的に純文学と呼ばれるものはほとんど読んでこなくて、それは大人になった今も一緒です。
読むのは専らエンタメ要素の強いものばかりなんですが、今回はそんな僕の心の一冊を紹介したいと思います。

(あ、もちろんアウトドアも大好きですが)

キングといえば…

世にキングと名の付く名詞は数あれど、僕にとってはキングといえばキング・カズでもなければバーガーキングでもライオンキングでもございません。

中学生の頃に出会い、それからずっと多くの物語で僕を楽しませてくれているマイベスト作家様。
それが、スティーヴン・キング氏であり、彼が僕にとってのキングオブキングです(上手い事言った)

そんなわけで自室の本棚には、こんな感じでキング様専用スペースが……。

基本キング様の本はハードカバーで買うって決めてるんですが、文庫本もやっぱり買ってしまいます。
短編集とかは基本文庫本でしか見つけられないので、この辺りは特に。

さてさて、とはいえ本を読むのがあまり好きでない方にとっては、そもそもスティーヴン・キングって誰だよって話なのですが、

  • ショーシャンクの空に
  • グリーンマイル
  • シャイニング

の映画の原作者といえば通じるのでしょうか? 最近だと

  • IT それが見えたら終わり ホニー・ワイズ

の二作目も公開されてたので、そっちのがわかるかもですね。

まぁ、つまりは、わかりやすい言葉でいうと、アメリカの誇るスーパーベストセラー作家様のお一人でございます。
上の写真にもある通り、ホラーものが大得意で、好んで描かれるので、ホラー界の帝王なんて言われてます。

本日ご紹介するのは、その彼の数ある作品の中でも僕の一番好きな物語です。

The Body

はい、これ。スタンド・バイ・ミー。
言わずと知れた、少年期の友情と小さな冒険を描いた、名作中の名作です。

かなり表紙もくたびれてて、中の本文なんかは完全に黄ばんじゃってます。

それもそのはず、僕の持ってるこの本が発行されたのは平成九年。
今から20年以上も前です。(それですらもう31刷目!)

ちなみに邦訳ではスタンド・バイ・ミーですが、この物語の原題は「The Body(死体)」です。
映画が有名なので、いわゆる友情ものとして取り上げられることが多いですが、原題からもわかる通り若干の気味の悪さがにじみ出てますよね。
原作では主人公四人中三人が亡くなりますしね(エピローグ的な話でですが)

そんなわけで、僕にとっての心の一冊であるこちらを取り上げていきます。

少年期への片道切符

もう何度読みなおしたかわからない物語ですが、僕がこの物語を大好きな理由の一つとして「自身の少年期の思い出が、読むたびにふつふつと想起されて元気がでる」ということが挙げられます。

これはそもそも僕の性格であったり、パーソナルな部分にかなり密接に関連しているからなのですが、僕は割と「大人になった今、子どもの頃に遊んでたあいつは今どこで何してるのかなぁ」とか、「きっと頑張ってんだろうなー」とか勝手に想像して、「自分もしっかりやんなきゃな」って気持ちになることが多いです。

旧友の結婚式に呼ばれたときに思い出したり、同窓会の案内が来た時に思い出したりするってことが普通だとは思うんですが、僕は割と全く何の脈絡もなく思い返したりします。
例えば、夕食の時にでた唐揚げをみて、「そういや給食の時のくじらのオーロラ煮で絶対おかわりしてたBくん、今何してるんだろ」くらいの脈絡のなさで思い返したりします。

それを踏まえて、なんですが。

スタンド・バイ・ミーはキング様の作品としては珍しい短編(に近い中編)小説ですが、その物語の中で描かれる少年期特有の友情や葛藤、冒険の日々はとてもリアリティにあふれ、厚みがあり、そしてまぎれもなく過去の自分にもあったものだと簡単に教えてくれるわけですよ。

これはね、すごいことだと思うんです。

さきほど脈絡なく思い返すとは言ったものの、まぁこういった業種に勤めていると、普段はそんな頃のことを懐かしむ暇もないくらい仕事に忙殺されるわけです。
そうすると当然心が荒みやすくなってくるんですね。
わかりやすくいえばヘタってくる。体も心も。

そんなとき、僕は折に触れるようにこの本の表紙をめくるのです。

すると、いつだってこの黄ばんだ上質紙の中では四人の少年たちの日々(たった二日間だけれど)が続いており、僕は物語を追いかけつつもそのストーリーの向こう側に、自分がたどってきた学生時代の思い出を見つけ出すのです。

そうして、もうほとんど会うことのなくなった(もっと言えば連絡先すら知らないことのほうが多い)友人だった彼らとの日々を懐かしみ、明日への活力としてるってわけですね。

なんか自分の危ない性癖(性癖か?)を垂れ流してるだけみたいになってきたぞ。

またな、って言えよ

さてはて、好きな本の話なんかしだしたらいつまで経っても終わらないので、最後に好きな名シーンをご紹介してバチっと切りましょう。

終盤でですね、二日間の死体探しの冒険を終えて、主人公たちが地元の街の入り口に帰ってきます。それで四人が一人ずつ自宅への帰路につくため別れていくんですが……。

彼らはなんとなくわかってるんです。

長い休みが明けてエレメンタリースクールを卒業した彼らが次に顔を合わすのはジュニアハイスクール。つまり中学校です。てことは新しい出会いや交流関係が一気に増えます。そうなると、もうこの四人で小学校のノリで集まったりすることはないだろうってなんとなく察してるわけです(事実、小説の中で四人はそれぞれの交友関係が広がったことで、もう同じグループとしてつるまなくなります)。

そうして最後に残った二人のうち、一人が言います。

「さよなら」

そうすると、残りの一人がにやっと笑って言うわけですよ。

「またな、って言えよ?」

 

うっは…………!
これもう最高にかっこよすぎ……。
今風に言えば、尊すぎないですか?? しかもこれ映画では言ってるのリバー・フェニックスですよ。

それでもって上の話は映画の翻訳であって、原作の方では

「さよなら」
「俺が嫌じゃなかったらな、まぬけづら君」

っていうのもまた良い。

ほんと、シビれる別れの挨拶です。

 

……

 

……

 

はー。
なんだか結局どう着地させようか迷ってたら、そのまま迷子になっちゃいました的な典型の形になっちゃった。

ではでは今回はこんなところで~。

さよなら!

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